このパートの目的
基本的な撮影を覚える – 意図を持って撮影することの重要性を理解する –
カメラの設定や基本的な撮影技術
基本的なカメラ設定
動画撮影時の設定項目は4つ
最初は戸惑うかもしれませんがしっかりと理解しましょう
カメラの設定は撮影する際に最も気を使い、正しい設定にしましょう。
慣れや経験が必要なところではありますが、きちんと設定すれば他の人と差のつく綺麗な映像を撮影することが可能になります。
逆にきちんと設定できていなかったらせっかく撮影した素材が台無しになってしまうこともあります。
フレームレート、シャッタースピード、F値、ISO感度の関係をしっかりと理解し適切な明るさで適切な表現ができるように練習していきましょう。
フレームレート
動画は静止画の集まりパラパラ漫画をイメージしよう
フレームレートはFPSとも呼ばれています。
FPSはFrames Per Secondの頭文字を取った言葉で、1秒間に何フレーム(コマ)の静止画を撮影して1秒の映像にしているかという概念です。
主に使われるフレームレートは24FPS , 30FPS , 60FPSです。
パラパラ漫画をイメージしていただければわかりやすいのですが、1秒間に24枚のパラパラ漫画よりも60枚のパラパラ漫画の方が動きが滑らかになるのはイメージしやすいかと思います。
では全て60FPSで撮影すれば良いのかと言う疑問もあるかとは思いますがそれは違います。
多くの映画が24FPSで作られており、テレビのニュース番組は30FPSが基本です。
スポーツやオンラインゲームなんかは60FPSで表現されることが多いみたいです。
映画っぽい表現いわゆる「シネマティック」な表現をしたい場合は24FPS、スポーツなどの動きが速いものは60FPS、それ以外は30FPSというのが大まかな設定方法になるかと思います。
YouTubeの場合は特に理由がなければ30FPSに設定するのが良いかと思います。
シャッタースピード
シャッターが開いている時間のことです
映像の明るさにも関係しますが動画撮影時のSSはほぼ決まっています
シャッタースピードは1秒、1/2秒、1/4秒・・・1/250秒、1/500秒のように表します。
シャッタースピードを速くすると、光が撮像素子にあたる時間は短くなり、シャッタースピードを遅くすると、光が撮像素子にあたる時間は長くなります。
動画を撮影する場合のシャッタースピードは前述のフレームレートと大きく関係します。
詳しくは参考動画の04:06~08:43を参照していただきたいのですが、動画撮影時のシャッタースピードは基本的にはフレームレートの2倍の数値を分母に持っていった値で設定してください。
30FPSで撮影する場合は1/60、24FPSで撮影する場合は1/48。ぴったり2倍の数値の設定ができない場合はその数値に近い値で設定しても構いません。例えば1/48 → 1/50など。
蛍光灯の下で撮影する場合は「フリッカー」と呼ばれる光のチラつきが起こる場合があります。
フリッカーが起こった場合はシャッタースピードを変更しチラつきを抑制するのですが、東日本と西日本では電源周波数が違ってきますので対処策も変わってきます。
東日本では : 1/100秒、 1/50秒、 1/25秒
西日本では : 1/120秒、 1/60秒、 1/30秒
豆知識:ちなみに周波数の東西境界線はどこにあるのかというと、新潟県の糸魚川と静岡県を流れる富士川を結ぶところになります。
F値
F値 = 絞り
映像のボケ感や明るさに関係する項目
F値は絞りとも呼ばれていて、レンズから光を取り込む穴の大きさです。
F1.4、F2.8、F4などと表現され、この数値が小さいほど穴が大きく、光もたくさん取り込むため明るい映像が撮れます。
また数値が小さいほどボケ感も大きくなってきます。
ボケ感が大きくなるということはフォーカスが合う範囲が狭くなるということにもなります。
自分の表現したい映像や何を写したいのかによって最適なF値というのは変わってきますので、まずは数値をいくつに設定したらどんなボケ感が得られるのかを経験してみましょう。
夜間の撮影ではできるだけ明るいレンズ(F値の数値が低く設定できる)を選ぶとノイズが少なく綺麗に撮影できます。
映像にはできるだけノイズを少なく撮影した方が綺麗にストレスなく観れるのでシーンによってレンズを使い分ける必要が出てくるかもしれません。
映像の「ノイズ」は次に説明するISO感度とも大きく関わってきます。
ISO感度
ISOは数値を上げるほど映像が明るくなる
その反面ノイズが乗りやすくなる
ISO感度はレンズから入ってきた光をどれだけカメラ内で増幅させるかという指標です。
カメラに入ってくる光の量は前述のシャッタースピードとF値で決定され、その光の量から適切な明るさになるように光を増幅させます。
例えばISO200はISO100の2倍感度が高いことを示し、ISO100の時の半分の光量で同じ明るさの映像が撮れるということになります。
一方で光を電子的に増幅させる指標ですので、ISO感度はあげれば上げるほどノイズが乗りやすくなってきます。
ISOをどれぐらい上げるとどれぐらいのノイズが乗ってくるかは使っているカメラによっても違ってきますのでご自身のカメラでどれぐらいまでISOをあげられるか試してみましょう。
一般的にはセンサーサイズの小さいカメラの方がノイズは乗りやすくなってきます。
目安としてAPS-C機はISO3200程度、フルサイズ機はISO6400程度でノイズが目立ってきます。
ホワイトバランス
撮影環境での光の色の影響を補正して白を白く写すための機能です
ホワイトバランスと関係のある明るさの数値で「ケルビン」という単位があります。
光の色は温度で変化します。
「ケルビン」は色の絶対温度表示で、数値が低くなるほど赤みが増し、数値が高くなるほど青みが増します。
動画撮影の場合、シーンによってホワイトバランスがバラバラになってしまうことを防ぐため、マニュアルで設定するケースが多いです。
厳密に調整したい場合はグレーチャートを使ってシーン毎に調整しますが、最初のうちはカメラのプリセットのホワイトバランス設定でもOKです!
露出の設定
イメージセンサーに当たる光の量のこと
適正露出にするのは必須です
露出計を見ながら露出を決めましょう。
大体の場合は「±0」でOKです。
log撮影を行う場合は少しオーバー気味に撮影すると良いと言われています(s-logの場合は+1~+1.5ぐらい)。
なんとなく露出を決めてしまうとノイズが乗ってしまったり、白とびしてしまったりすることもありますので露出計とモニターを見ながら明るさを決めていきましょう。
復習用にどうぞ↓
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